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ルワンダの涙 [映画]

「ルワンダの涙」は実際にアフリカはルワンダで実際に起きた大虐殺を描いた映画。
以前から気になっていたのでDVDでみた。

当時ルワンダに滞在していたBBCニュースプロデューサーのデヴィッド・ベルトンが共同脚本家、プロデューサーとしてその経験を映像化したらしい。

事件は突然起きた。
フツ族のシプリアン・ンタリャミラ大統領が乗った飛行機が墜落、大統領が死亡した。
これをツチ族の仕業だと考えたフツ族がツチ族に襲いかかってきたのだ。
こう書くとなぜそうなるのかはわかるまい。
しかし暴徒と化したフツ族は次々とツチ族を殺していく。
それに対し国連軍はその場にいたものの、「銃は自衛のためにしか使用してはいけない」という命令を遵守してフツ族の虐殺を見てみぬふり。
そんな中、国連軍は町にあふれる遺体をむさぼる野良犬を衛生上の問題のため射殺するという。
原題の「Shooting Dogs」とはそんな国連軍の無能ぶりを揶揄したものだろう。

劇中、フツ族の青年は「このままではツチ族に奴隷にされてしまう」とこぼす。
そこからこの二つの部族間にはこれまでも対立があったことがわかる。
そこで少し調べてみた。

もともとこの二つの部族の違いは農耕か遊牧かだけだった。
おそらく同じ民族だったのだろう。
それが仕事の違いにより貧富の差が生まれた。
ルワンダは土地が貧しく農業に向かないため農耕を主にしていたフツ族は貧しく、遊牧をしていたツチ族は裕福だった。
ここまではどこの社会にもあること。
日本でも儲かる業種とそうでない業種があって近年ますます格差が問題になっている。
フツ族とツチ族という名も民族の違いでなく、日本で言えばヒルズ族などのような意味ではなかろうか。

ルワンダの不幸はその後にやってくる白人による植民地支配だった。
植民地において原住民を支配するには原住民に原住民を監視、監督させるのが効率かいい。
目を付けたのはツチ族。
彼らは比較的少数で裕福だった(ヒルズ族と同じだ)。
数が少ないほうが統率しやすかったのだろう。
部族の差別をはっきりさせ、ツチ族優位社会を作っていった。

その後ルワンダは独立するがツチ系政府は支援を受けられず没落する。
もともと数で勝っていたフツ族が政権をとった。
フツ族は今まで差別されてきたことを恨んでいた。
部族間の対立は内戦へと発展したが1993年に一応、和平合意に至る。
そして1994年、ついに大虐殺が行われてしまう。

フツ族はツチ族がまた優位に立とうと企んでいると思い込んでいたため、その恐怖からこのような行為に及んでしまったのだろう。
殺すほうにはそれなりの理由があるはずだ。
現代社会では如何なる理由も認められてはいないが、近年増えてきた理不尽な理由による殺人とくらべればフツ族の理由はわからないでもない。
問題はやはり植民地を支配した白人にあると思う。
同じ民族が憎しみあう社会がこの世にあるとは日本人としては信じられない思いだ。

ルワンダの涙

ルワンダの涙

  • 出版社/メーカー: AVEX GROUP HOLDINGS.(ADI)(D)
  • メディア: DVD

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